競売で落札された場合、市価より大幅に安く売却されるケースが多々あります。
債権者、債務者、購入者(競落人)が協力せずに物件を取引するため、以下のような不安材料あり、それを考慮した価格となるからです。
● 居住者の協力が得られないため物件の状況が把握できない
● 登記上に競売で売却されたことが明記される
● 落札後に居住者に占有される可能性がある
売却代金は全て住宅ローンの返済に充てられますが、安価で取引されれば返済できる額も少なくなり、多額の住宅ローンが残ることになります。
対して任意売却の場合は、市価とほぼ変わらない価格で売却することが可能です。
債権者、債務者、購入者が協力し売却するため、以下のように競売での不安材料が発生しないためです。
● 物件の状態が把握できる、事前に内覧できるケースがほとんど
● 通常の売買と変わらないため、登記上にキズが残らない
● 売買契約後も占有の心配がなくスムーズな引渡しができる
このように任意売却は販売活動から引渡しまでは通常の不動産売買と変わらないため、市価と比較して極端に安価になるといったケースはほとんどありません。
競売のときより高額で売却できるため、返済できる住宅ローンの額も多くなり、債務を減らすことが可能です。
競売になると裁判所が発行する公告や3点セットにより物件が競売となったこと、物件の内容などが一般に周知されることになります。
3点セットの物件概要書には裁判所が鑑定した際に撮影した室内の写真も掲載されます。
また裁判所が公開する「
Bit」や不動産ポータルサイトの「
at Home」などのインターネットにも情報が掲載され、誰でも閲覧可能な状態になります。
対象物件の落札を検討している不動産会社が、居住者の人柄などを調査するために周辺への聞き込みを行う、競売となったことを周知するチラシを配布するといったことも考えられます。
任意売却の場合は、通常の不動産売買と同じように幅広く販売活動を行いますが、住宅ローン支払が困難な為といった売却事由については周囲に知られることはありません。
住宅ローンの滞納が始まり競売が視野に入ってくる段階になると、債権者が任意売却を進めてくる場合があります。
所有者にとって競売に対して任意売却の方がメリットが多いことを解説してきましたが、債権者はなぜ任意売却を薦めてくるのでしょう。
それは任意売却は債権者にとっても競売よりメリットがある売却方法だからです。
● 売却代金が競売よりも高額になり回収額が多くなる事が期待できる
● 売却までにかかる時間が競売よりも短い
● 競売で売却する場合には、債権者が裁判所に費用を払う必要がある
● 競売では無配当になる債権者も、任意売却なら弁済の一部を受けられる
競売で売却するためには債権者は裁判所に対して予納金を収める必要があり、また売却までにも時間がかかるため債権回収も遅れることになります。
任意売却であれば債権者・債務者が互いに協力するため、通常の不動産売買と変わらず売却するまでの時間も競売と比較して短期間のうちに売却することが可能です。
また相場に近い価格で売却できることで回収できる額が増加する、競売では無配当だった債権者にも弁済の一部を受けるといった金銭面でもメリットがあります。